2025.2.21
2025年2月、「Miyazaki IT Plus」は新たなロゴを発表し、ブランドイメージを刷新しました。これまでの黒と水色の2色から成るシンプルなデザインのロゴは、「まつりえれこっちゃみやざき」の市民総踊りへの参加や、ICT人材の育成を図るイベントの開催・共催など協議会の活動時に活用してきましたが、2025年4月に協議会発足から10周年を迎えるにあたって新たなスタートを切るべくロゴを刷新することにしました。
新しいロゴの制作にあたっては協議会の50の加盟企業を対象にデザインコンペティションを実施し、多数のアイデアの中から新ロゴを決定。新たなブランドイメージを醸成することによって、地域社会やIT業界内外での認知度向上を図ります。
■団体の認知力向上や加盟企業の経験値に
今回のプロジェクトを主導したのは、GMO NIKKOに所属し、協議会の役員でもある渡部司さん。ロゴ変更の背景やコンペの流れ、そして新ロゴに込められた思いについて、お話を伺いました。
▲これまで使用してきたロゴ
「Miyazaki IT Plus設立10周年を機にロゴを刷新し、団体の認知度を高めるとともに、地域社会との結びつきやICT業界内外での影響力を拡大できればと考えていました。さらに協議会の加盟企業には、クリエイティブを専門とする企業やデザイナーを抱える企業も多くあるため、彼らのスキルや経験として活かせる場にしたいという個人的な思いもありました」(渡部さん)
■15作品がエントリー!協議会関係者170人とAIが審査
こうした背景を踏まえ、2024年10月から11月にかけてデザインコンペが開催されました。協議会の加盟企業を対象に募集を行った結果、15作品がエントリー。マンゴーやヤシの木など「南国・宮崎」の要素を入れたロゴから、IT業界をイメージしたものまで多岐にわたりました。
▲エントリーされた15作品
「創造性」「オリジナリティ」「IT Plusとの適合性」「視覚的魅力」の評価基準に伴い審査を行ったのは、IT Plus役員陣6人、加盟企業の従業員164人、そしてAI審査員。「IT企業の協議会らしく、AIを活用するのも面白いのでは」との考えから、AIを審査に導入することになったといいます。
・創造性
・オリジナリティ
・IT Plusとの適合性
・視覚的魅力
渡部さんは「AIを使うことで客観的な評価を加えられると考えました。また私の所属するGMOが、AIの活用を推進しており、AIと共同作業する重要性を感じていることも理由の一つにあります。ちなみに、コンペのウェブサイトの構成もAIで壁打ちしながら制作しました」と振り返ります。
そうしてIT Plus役員陣、加盟企業の従業員、AI審査員のポイントを合算する形式で、各ロゴを評価。AI審査員に関しては、的確な評価を得られるよう「団体の概要」「評価方針」「評価基準」「フィードバックの構成」などを詳細に記載した具体的なプロンプトまで用意しました。
■「地域らしさ×テクノロジー要素」のスタイリッシュなロゴに決定
その結果、新ロゴとして選ばれたのは…作品名「地域の未来を拓くITブランド」でした!
▲今回決定した新ロゴ
「ITで地域と繋がること」「ITで地域に貢献すること」「ITで新たなアイデアを生み出すこと」の3軸をコンセプトにした同作品は、シンプルかつスタイリッシュなロゴ。配色は「宮崎の暖かさを感じる」オレンジと、「テクノロジーと海を感じさせる」青で構成し、協議会名の「プラス」を強調したデザインとなっています。
役員陣や加盟企業の従業員といった「人」からも高い評価を受けたこちらのロゴ。AIからは以下のような評価を受けました。
・創造性:デザインはシンプルで洗練されており、十字型のシンボルが「つながり」や「連携」を象徴的に表現しています。
・オリジナリティ:配色やフォントとの調和は良好で、シンプルな印象を残します。
(一部抜粋)
「人とAIで評価が大きく異なるロゴもあり大変興味深かったです。どれも素敵なデザインで役員陣も悩みましたが、今後あらゆる場所で使うことを考慮し、スタイリッシュで洗練されている点から現状のロゴが選ばれました」(渡部さん)
▲昨年末に行われた協議会のイベントで新ロゴを発表している様子
■地域との中長期的な繋がりを目指す
このように審査にもAIを導入した今回のコンペですが、ロゴを制作したデザイナーによると、実は制作にもAI(ChatGPT)を活用していたそうです。
「同協議会のサイトをAIに読み込ませて、どのようなロゴが適切か意見を聞き、共感できるポイントを参考にしました。青とオレンジの配色や、読みやすさのあるフォントなどがAIからのアドバイスを取り入れた要素です」
また、新ロゴが選ばれた喜びについて、以下のように語っています。
「この度は最優秀賞に選んでいただき、大変光栄です。『地域の未来を拓くITブランド』をテーマに、ITを通じて地域と繋がり、新たなアイデアを生み出すことを意識しました。宮崎の暖かさと豊かな自然を象徴するオレンジと青を基調に、地域との結びつきや成長を表現しています。階段状のデザインには、ITが地域に貢献し、未来へ向かって進む姿を込めました。このロゴが地域の皆様に愛されることを願っています。」
▲プロジェクトの発起人である渡部さん
最後に渡部さんは「当協議会は、『ICT産業と地域の発展に寄与すること』を目的としています。新たに制作したロゴを様々なメディアやイベント時に使用することで宮崎の人々に認知してもらい、地域と中長期的な繋がりを作れたらと思います」と意気込みます。
新ロゴを活用して、さらなる地域との連携強化とIT産業の発展を目指すMiyazaki IT Plus。今後もMiyazaki IT Plusは地域との関わりや企業間での交流を図りながら、宮崎のIT業界を盛り上げていきます。
取材・執筆・撮影=藤井美帆(Qurumu)