2025.7.28
皆さん、こんにちは!宮崎でITの最前線を走る企業の皆さん、AI活用はもう当たり前のように業務に組み込まれていますよね?でも、ちょっと待ってください。そのAI活用、本当に安全ですか?適切なガイドライン、ちゃんと整備できていますか?
「うちの会社、AI活用は進めているけど、リスク管理は正直不安…」「知らないうちに、企業の重大なリスクを生み出していたらどうしよう…」
ということで、先日、Miyazaki IT Plus主催で、経営層のためのAIガイドラインセミナー「TOP LEADERS AI JAM」が開催されました!
■「AI JAM」シリーズ3部構成とは? 宮崎発のAI教育カリキュラム
まずは、Miyazaki IT Plusの渡部副会長から、今後の活動の柱となる「AI JAM」3部構成について紹介されました。Miyazaki IT Plusでは、今後「AI JAM」シリーズとして、以下の3つの層に特化したセミナーを企画・開催していくそうです。
ー TOP LEADERS AI JAM(経営層・幹部層向け)
ー ALL MEMBERS AI JAM(従業員全体向け)
ー MIYAZAKI AI JAM(家族・子ども・市民向け) *シリーズ名は暫定
経営層から現場、そして未来を担う子どもたちまで、それぞれの視点でAIを学び、活用していく。今後の展開にも要注目です。地域全体でのAIリテラシー向上が期待されます。
■プロが語る!AI時代のリスクマネジメントとガイドラインの神髄
さて、今回開催されたのは、経営層向け「TOP LEADERS AI JAM」。
講師には、企業のDX推進や生成AI活用のプロフェッショナル、Life By DXの梶村知仁さんをお迎えしました。梶村さんは、Miyazaki IT Plusのメンバーでもあり、某大手企業でAIコンサルタントとしても活躍されています。
セミナーでは、AI時代のリスクマネジメントと、攻めと守りのガイドラインについて、惜しげなく語っていただきました。
■“便利さ”の裏に潜む落とし穴 ― 生成AI活用に潜む5つのリスク
「うちの会社の重要な戦略が、AIを通じてライバルに漏洩!?」
「お客様の大切な個人情報が、知らない間にAIの学習データに…」
考えるだけで恐ろしいですが、これらはAI活用において実際に起こりうるリスクです。セミナーでは、以下の5つの具体的なリスクと、その対策のコツが分かりやすく解説されました。
ー モデル学習: 入力した情報がAIの学習に使われ、他のユーザーへの回答として出力されてしまうリスク。設定一つで防げると思いきや、利用規約にも落とし穴が!
ー 個人情報/機密情報: 顧客データや社内秘の情報を入力してしまうことによる情報漏洩リスク。
ー 著作権侵害: AIが生成したコンテンツが、意図せず第三者の著作権を侵害してしまうリスク。
ー ハルシネーション(幻覚): AIが事実に基づかない、もっともらしい嘘の情報を生成してしまうリスク。
ー ガバナンス体制: 誰が、どのようにAI利用を管理するのか。明確なルールなしにAIを導入すれば、組織内に混乱や責任の所在不明が生じるリスクがあります。
この視点を整理しておくことが、実際のガイドライン策定に向けてとても重要なポイントとなるそうです。
■守りだけじゃつまらない!「攻め」と「守り」のガイドライン策定術
AIのリスクを恐れるあまり、「AI禁止!」なんてルールを作ってしまうのは、あまりにもったいないですよね。
梶村さんからは、AIのリスクをしっかり管理する「守り」の視点と、AIをビジネス成長のエンジンとして活用する「攻め」の視点、両方を持つことが重要だと語りました。
ー ガイドライン策定の具体的なステップと項目
ー 現場の従業員にとって分かりやすく、浸透しやすいための工夫
など、自社ですぐに実践できるテンプレート資料も配布され、また具体的なノウハウが共有され、参加者の皆さんも熱心に聞かれていました。
講師の梶村さんと、本セミナー担当の渡部副会長
Life By DX 梶村知仁
「当日は皆様が熱心に耳を傾けてくださり、こちらもいつも以上に力を入れてお話させていただきました。法整備や生成AIのサービス環境は、これから時間をかけて活用しやすいものに変わっていくと思います。ですが、その時を待っていては大きく遅れを取ってしまいます。だからこそ今は、潜んでいるリスクを正しく理解し、事業者として守るべきものはしっかり守りながら、生成AIを積極的に活用していく“攻め”の姿勢も大事にしてほしい、そんな思いで登壇させていただきました。今後も、自分が積み上げてきた知識や経験を、少しでもお役に立てるように色んな形で還元していきたいと考えています。」
GMO NIKKO株式会社 渡部司
「今回のTOP LEADERS AI JAMは、AIという大きなテーマに対して、経営層の皆様と真正面から向き合う機会になったと感じています。
構想段階から掲げてきたのは、”経営が変われば、組織全体の動きも変わる”という確信でした。現場任せではなく、まず経営層自らがAIの本質を理解し、判断力と発信力を持つこと。そこが組織におけるAI活用の出発点になると思っています。
今回のセミナーを通じて、皆様の姿勢や問いの深さから、まさにその第一歩が踏み出された手応えを感じました。今後も、AI JAMシリーズの展開が続きますが、学びを企業全体・地域全体に波及させていく循環をつくっていければと思います。」
■「参加してよかった」──経営層から届いたリアルな感想
ご参加いただいた経営層の皆さまにご協力いただいたアンケート結果から、一部の声をご紹介します。
(*参加者25名)
感想コメント
・AIを使うのにリスクはあまり気にしてなかったので注意点がわかって良かったです。
・AIの機能追加のスピードが早く、ガイドライン更新の、頻度について社内でも課題となっていましたので、改訂の目安が分かり助かりました。
・改めて危機管理の意識を持ってAIと向き合う必要があるなと思いました。
Miyazaki IT Plusの皆さん、そして素晴らしい講演をしてくださった梶村さん、本当にありがとうございました!次回開催が待ち遠しい「AI JAM」シリーズ。今後の開催情報にも注目です。
取材・執筆・撮影=Miyazaki IT Plus(実行委員)